2012年1月8日日曜日

―アンパンマン号―



Quzhou市でのんびりとした新年を向かえ、年末引いた風邪もやっつけていざ前進!
今後はJiangxi Provinceへと入っていく。
Quzhouで会った人も、その後会った人もみんな口々に言うのが、

Jiangxiは悪い人が多く危ない。中国人でさえもあまり行きたがらない。注意してね。」

そんなぁ、驚かせないでよ。
とは言うけど、ほとんど気にしてもいなかった。まだ会って話してもいない人たちを悪いだなんて思いたくなかったし、新しい場所でもきっと楽しい旅が出来ると信じてた。

にぎやかだった街からずいぶん遠ざかり、山の間を走る国道をひたすら走る。
景色は次第に田園風景にかわり、ニワトリ、牛が時々道路を横断する。くわえタバコのおじさんが棒を振り回して、ヤギの群れを上手にまとめながら歩いている。
コンクリートのビルなんてなく、崩れそうなレンガの家が並ぶ。
人々の生活は決して裕福とはいえなそうだが、木の枝でチャンバラをする子供達や、逃げるニワトリを追いかけるおばあちゃんなんかを見ていると、なんかのんびりとしていていいな。


ところでこの日、今雲南の山間の村でボランティアとして英語を教えに行っているEmmaからメールが来た。雲南からチベットにかけては多くの少数民族が住み、昔ながらの生活を続けている。

「子供達は貧しいけど、可愛いし、とても頭がいいよ。」

自分も昆明に着いたらEmmaの後を継ごうと考えていた。しかし、実は訳あって今ルートを南西から北西へ、つまり東南アジアは次回にして中東へそのまま進もうかと検討中。もしかしたら今年雲南はいけないかもしれない・・。それだけでかなり残念だが、おいしいところは後に残しておくのも一つの手。


着いた街は玉山(Yushan)。
今日はテントでも張ろうかな。そう思っていたが、まだ日が暮れる前だし少し街を見よう。
めったに外国人が来ない街だそうだが、人々はフレンドリー。大きな公園もあって綺麗に整列してテクノの音楽に合せて不思議なダンスをするおばさんの集団もあちこちでみかける。
音はクラブ、踊りはラジオ体操。

この日はやんちゃな11歳の男の子が主役の温かい家族にお世話になった。
一緒に街に出るとイヤホン片方を僕にくれ、一緒に音楽を聞きながら歩いた。
大家族が作ってくれた豪華な夕食はとってもとっても美味しかった。
彼と彼のおじさんと一緒に夜公園を散歩していると、雪が降り始めた。
あーテントにしなくてよかった。近くの屋台のイスに座って三線をひいていると、近所の人も集まってきてまた楽しい夜に。

なんだ、色んなこと聞いたけど、やっぱり根から悪い人なんていないんだ。



国道を走っていると、道路の半分をふさぐように割れたビール瓶が散らばっていた。
オーマイガ!と言わんばかりに切ない顔で壊れた箱とビンを拾うおじさん。
積載量オーバーなうえに頼りない紐で固定されたビン達はカーブで耐え切れずに荷台から崩れていったよう。周囲の車はじゃまそうにクラクションを鳴らし、にらみ付け通り過ぎていく。脇に、自転車を止め、一緒にビンとガラスを拾うのを手伝った。最初はおじさんに、「なんだこのこ」と思われたが、次第にフレンドリーになり、「タバコ吸わないか。」「どこからきたの。」と笑顔もみせてくれた。僕も瓦礫撤去なら慣れたもの。二人でやれば半分の時間で片付いた。





















このおじさん、笑ったときの顔が亡くなった僕のじいちゃんにどこか似ている。
偶然だったけど、近くを通ったのも何か意味があったのかも。
じいちゃんが「頑張れ」ってメッセージをくれたのかも。そんな気がした。

おじさんに自転車の予備のロープを一本渡し、さよならした。
なんだろうこの別れた後の寂しさ・・。

「アンパンマン号」
ずっと自転車の名前を考えていた。
これからずっとパートナーだから適当に名前はつけられない。
でも決めた。「アンパンマン号」
なぜかって・・。行く先々で色んなトラブル・困った人に巡り会ってきた。これからも会うと思う。でも絶対放っておかない。
顔が濡れてて力が出ないアンパンマンを助けるように、力が足りなくて困っている人たちを助けたい。
じゃあ、「ジャムおじさん号」だ。

東北でもアンパンマンの歌に力をもらった。

やっぱり「アンパンマン号」だ!

Yushang to Yiyang
走行距離:100.88km
平均速度:18.9km/h
最高速度:51.2km/h

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