2012年8月13日月曜日

—青春の女子学生寮−




叶県で到着した日にお世話になった政府のおじさんとまだ朝食を共にし、この街のハイライトである刑務所博物館に無料で入れてもらった。古代からの刑務所がそのまま展示されていて、旧独房や掲げられている処刑の仕方の絵などを見ると不気味で寒気がした。こんなに親切にしてもらったのに、おじさんの名前難し過ぎて覚えられないお・・。ごめんなさい。

一路省道を通りいざ平頂山の街へ。
無限に広がるようなトウモロコシの畑の中をしばらく進むと都会が見えてきた。木陰で休んでいる地元大学生チャリダー5人を見つけたので自転車を停めしばらく一緒に話していると、いかにも旅人チャリダーという風貌の男の子がやって来た。パニアバックはつけず後ろの荷台に塊がひとつ、そして背中にバックパックがひとつ、大きなハンモックもひとつ。青海省を廻って帰って来る途中で、大学は武漢、遠く反対車線から僕を見つけて戻って来たそうだ。重いバックパックを背負いながらの自転車ってすごーく腰や肩に悪いんだよ・・。余計なお世話だけど、話しててもそればかり気になって心配してしまう。

でも僕らは始めからプロじゃないんだ。色々心配して悩んで足踏みしながらいつまでも出発しないよりも、エーイッ!行っちゃえ!って飛び出しちゃった方がカッコいいよ。僕なんてタイヤのパンク修理ですら道中90歳のおばあちゃんに教えてもらいながらそこで覚えた。


一見、富士急ハイランドの戦慄迷宮を思わせる暗い廊下。
ここは25年前に廃墟になった病院。
ではなく、男子学生寮。

タイトルでびっくりした人ごめんなさい。男の子ごめんなさい。「男子学生寮」だとなんだか名前が臭そうで誰も見たくないだろうなと思って少しひねってみました。XD

この街でのホストは友達の友達の友達の大学生。
予め通る道を伝えておいたら着く頃に道端で手を振って待っていてくれた。
学生寮はネットを使わせて貰ったり、屋上で夕日を見ながら飲んだりということはこれまでもあった。泊まるのは初めて。入った途端、青春の薫りがした。



これは向い側の部屋で、日本のアニオタboy達の秘密基地。全く見た事も無いアニメやゲームのポスターが壁一面に貼られている。僕が泊まった部屋はもう少し綺麗に整頓されていた。
でも全然そんなの気にしない。固いベッドでしっかり腰を伸ばせて眠れさえすれば幸せ。何よりこのフレンドリーな男の子達が楽しくて、中国に留学してもいいかななんてポツリとつぶやいたりもした。


隣のベッドを使用しているのはアブーとアホー。
名前がツボに入り、普通に呼べない。(^^;)
皆映画製作を専攻しており各国の映画に精通していた。特にアホーは2TB!分の映画をアホーのHDに保存しており、僕も遠慮なく色々とアホーから提供してもらった。ちなみに外国人に聞く中国に住むメリットの一つに「映画・音楽全て無料・・」他の国では違法なんだろうけど、ここでは違法なんて概念ない。官民全ての人がこれに恩恵を受けてるから文句言う人はいないみたい。


友達の誕生日パーティーに参加するためバスで一時間程走った魯山へ。
主役は右の白い服の女の子。彼女の弟は自らをクレヨンしんちゃんと呼んでいる程やんちゃな子。顔にケーキを付けて部屋を走り回っていた。


この誕生日会で知り合ったKaiくん。彼のT-shirt可愛いねと言ったらいきなり脱ぎだし、あらあら、路上でセクシーな格好に。旅に持って行って欲しいと、プレゼントしてくれた。各国でコレを着た写真を撮って送るからね。


せっかく魯山に来たので有名な仏陀の像を見に行く事に。さらにバスに乗り90分、山の麓に金色に光る仏陀が見えて来た。入場料が120元(約1500円)と全く手が出せないので、なるたけ近くまで山道を歩いてみることにした。暑い。溶けそうだ。途中売店で20円のアイスを買って食べるもすぐに溶けてしまう。水、水、水・・村人に場所を聞きながら川までたどり着いた。飲めなくても水浴びがしたい。


人々の暮らしを見守る仏陀像。きっと長年この山の上から街を見下ろして来たのだろうな。と思いきやわずか2年前に建築されたものだった。通りでこの辺全然盛り上がっていなわけだ。

長い歴史に想いを馳せることもなくなり、少しがっかりしていると足下にヤギの群れが。おじいさんが子ヤギを引き連れて川を渡っていく。きっと日本にもかつてはこんな風景どこにでもあったのだろうな。

可愛くて、思わず一匹持って帰る。

というのは冗談。

ちなみに卒業シーズンになると男子学生数百人が群れをなして大学周辺を練り歩き、キャンパスに入ると目指すのは女子学生寮。一同そろったところで女子に向かって水をかける。という行事があった。これは武漢の、それも華科大学だけなのかな?参加し損ねたけど、そんな面白い伝統に笑った。



 叶県 to 平頂山
走行距離:38.04km
平均速度:15.6km/h
最高速度:34.3km/h

facebook: (keiichiro kawahara,河原啓一郎) http://www.facebook.com/coucou.kei


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