2012年8月15日水曜日

ーサンダルを食べた日ー




こちらの大学生の朝は早い。
まだ寝てていいよ〜と言われるもみんな朝6時くらいには起き出して活動し始めるものだから僕だけ寝ているのは申し訳なくて一緒に起きる。目覚めに顔を洗ったらほっぺと目頭2カ所蚊に刺されていたのに気づいた。顔を刺す程腹ぺこなのかな。
昨夜も遅くまで起きており、疲れが取れないよ。

だいたい毎晩の日課になっていること。
まずはブログやその他の記事の更新と写真の選定。これが時間がかかる・・。Fbweiboなどの更新、友達への返信。次ぎのホストへの連絡。医療の知識を忘れない為にネットでお勉強。走った軌跡の記録。今後のルート選定と道路地図の暗記。昨日今日覚えた新しい中国語会話の復習。新しい単語帳作り。
酔い過ぎてなければだいたいこれらを終えてから寝るのだけれど、たまに長距離走ってボロボロになった時など酔いつぶれて眠りたい日もある。

歯磨きは忘れずに。(旅保険が効かない)
僕の保険はもう切れちゃったけど・・。中国の歯の治療代はどのくらいかと言うと、中病院の場合虫歯削って埋めるくらいなら数百円。親知らず抜くくらいになると、1000円程。保険適用後の日本に比べても安い・・。嬉しい事に西安の知り合いの病院で治療してもらったらタダだった(涙

今年の夏は海がない夏。
日本では湘南に住んでいたので、海が見たければ江ノ島に自転車を飛ばしてはボケッと海を眺めていた。海の無い長野で生まれたけれど、釣り一筋の青春を送ってきた僕はその趣味が父にも感染し、父が毎週末新潟上越まで車を飛ばしてくれた。

Facebookでは「今日○○ちゃんと海に行ってきたヨ〜」の写真が花火の写真と共に続々アップされて行き、ため息が出るばかり。海から3000kmも走ってきたここユーラシアの内陸には汚染された川と時々テロかと思わせる伝統の爆竹しかない。週末スイミングプールに行った友達に感想を聞いてもし良かったら僕も言ってみようと思った。そしたら彼女は言う、
2mも先に進めなかった。人が多過ぎてまるで鍋に浮かんでる水餃子の様だった。」


この写真は海?
いや違う、観光客も中国人もまず行かない小さな街、平頂山。
ここには綺麗な湖が隠れていた。しかも大学の図書館の後ろに。水は比較的綺麗で、この地方の水道水もここから引いている。地元民もタイヤチューブにプカプカ浮かびながら気持ち良さそうに泳いでいる。
僕らもパンツ一枚で飛び込んだ。アホーはブリーフで飛び込むから、濡れた後の彼には目を向けられない。



残念ながらそういう訳でアホーのサービスショットはありません。
え、いらない?

アホー達と3人で自転車を走らせ有名なお寺へ。チベット仏教を思わせるようなカラフルな旗が翻り、長野の善光寺に負けない程大きな仏閣が僕らを迎えた。


山の麓から頂上まで一直線に仏閣がいくつも並び、階段を上り一つずつ見て行く。その中盤にくるとひときわ大きな仏舎があり、旅の安全を祈願する。すると中からお坊さんが出て来た。
「食事は済まされましたか?」
お坊さんに着いてお寺の運営を手伝っているボランティアの女性からそう聞かれた。時計を見ればいつの間にか1時を回っていた。お昼はまだです。そう答えると、
「食べて行ってください。」
そう言われ、ありがたいことに食事を頂いた。他のお寺から提供された食事で余ってしまったものらしい。感謝感謝し、合掌、お言葉に甘えて景色のいいところで頂く事にした。


実は仏教経典の教えの一つには昔から旅人は救い持て成すこととされており、相手が他宗教だろうが無宗教だろうが平等に受け入れることと教えられている。西安の慈恩寺にインドから持ち帰ったサンスクリット語の経典を置いた玄奘(三蔵法師)も過酷なシルクロードをなぜ体一つで旅が出来たのか。きっと弟子の猿さんと豚さんのおかげだけではないはずだ。人は家を一歩出れば誰しも旅人で、逆に言えば旅人ではない人はいないのではないかと僕は思う。隣人に限らず知らない人同士でも助け合ってその結果この世を良くして行こうというのは仏教の根本的な教えだ。
僕は宗教について、「強く信仰する」と「厚く信仰する」とでは意味が異なると思う。またそれについては長くなるので・・。
韓国、台湾、中国(本土)のお寺ではたとえ欧米人バックパッカーでも清く泊めてくれるところが多い。ある韓国のお寺では修行僧と同じスケジュールで起床し、境内を掃除し、粗食を食べるということに従う代わりにいつまでも泊まっていいという場所もある。もちろん強制ではない。


1000年以上の仏舎 コインを押当て落ちなければ幸せになれるらしい。

一方日本はどうかと言うと、あまりそういう場所は少ない。
国が変われば同じ宗教でも様式が異なるのか、何度か僕も試みたが「そんな話初めて聞いた。」と幾分冷たくあしらわれ泊まらせて貰えなかった。もちろん人がいなくなったころ境内や庭でこっそり寝る事は可能だろうが。
毎日熱心にお線香と花を携えお寺に足を運ぶ他国の仏教徒を見ると彼らの生活の中にいかに深く根付いているかが感じられる。日本のお寺はいわばこの国に仏教があるというただのシンボルの役割であり、参りする人々の目的も他国のそれとは少し異なり半ばレジャー化しているような気がする。お賽銭を投げ、祈願し、お守りを買うのとは何か違うものがこちらにはある気がしてならない。


ちなみに僕の家はお寺じゃないけどここ5年で外国人を250人!泊めてきた。高いお金をつまらないホテルに使うのならその浮いた分で美味しい寿司でも食べて日本を満喫して帰って欲しい。そして今度は僕が会いに行く番だよ♪


aaa-堅い話してしてたらお腹痛くなって来た・・。
昨夜食べた屋台のBBQのせいかな。にしてもあの肉も堅かった。ビーチサンダル食べてるみたいだった。でも美味しかったからそのサンダル2枚食べた。


下山中に困っている人達発見。
境内にトラックで運ばれて来たのは大きな太鼓。ものすごい大きくて重いコレを屋内に入れたいというのだ。扉はこれ以上開かず、足下には40cm程の段差が有る。神聖な太鼓の表面には傷一つ付けたくない。さあ、どうやって縦にして入れようか。

僕らも一緒になって考えた。工事現場から鉄パイプ、倉庫から毛布・ロープを持って来てこれをどう生かそうか。今中国の子供番組で大人気なのは日本の「一休さん」。オジさん一休達の知恵比べが始まった。
このお寺、実は超偉いお坊さんたちが集まっている。普段は参拝に来る人々の為にお経を唱え綺麗な服を着て座っている人達だ。ボランティアの女性達がお坊さんに一言話しかける時には合掌して一度お辞儀をしてから話しかけている。

考えた結果、写真のような御神輿(おみこし)ができた。すごーく重い。
アホー、カメラ回している暇じゃないよ。
アホな僕もバックパックを降ろしてから運べば良かったのに、壁と太鼓の間に挟まった。


あー良かった。これで雨の日でも太鼓が叩けるね♪
つがうか。

アホー、アブー、一汗かいたから湖に泳ぎに行こうか。
アホーはアレだけど、アブーってアラジンの友達だよね。
僕いつもアラジンパンツ履いてるから、いい友達だね。
アホー、今回ちょっとブリーフはまずいから僕の水着かしてあげるね。


お知らせ☆

8月25日(土)午後13:00~14:55放送
SBC信越放送「ともラジ」の”世界はともラジ”
のコーナー(14:20頃)に毎月出演しています。
信州のみなさんよろしければ御拝聴ください。
http://sbc21.co.jp/radio/tomoraji/index.php?itemid=24232  



facebook: 
(keiichiro kawahara,河原啓一郎)




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