2012年8月22日水曜日

ー風呂のイスでできた街ー




龍門石窟遺跡があることで有名な河南省・洛陽(Luoyang)。
Ruzhouから洛陽までは綺麗な並木道が続いており気持ちがよかった。
タールまみれになった前の街のことを思い出せばここは別世界だ。

有名なお寺や世界遺産が有るような観光都市に住む人々というのは他とは何か違う優しさがあるなと感じることがある。信仰が厚いからかな。それもあるかもしれない。
ちなみに長野は善光寺そのシンボルだ。

洛陽で路線バスに乗っていたら一人のお年寄りが乗ってきた。僕が席を譲ろうと立ち上がった時、一緒に近くにいた若者2人もほぼ同時に立ち上がった。皆顔を合わせて少し照れくさくなった。他の乗客達もニコニコしていて車内の雰囲気が和んだ気がした。小さな事だけど、とても大切なことね。
そのことをweibo(中国版twitter)に書いたら、
「長年信仰とこの遺跡を守って来た洛陽人の文化です。」
とコメントした人がいた。

信じるモノがあるから他人に優しくできるのかな。信じるモノとは時に信仰だったり夢だったり、社会の欲望や悲しみにブレそうな自分を正してくれるもの。逆になければ耐震構造が低い建物のように少しの圧力で潰れてしまうか、他人に気を配る余裕がない。

宗教には天使と悪魔の両局面があるので時に「宗教なんて」と思うこともあるが、こういう一面を見るとホッとする。本来、こうあるべきだよね。
泊まらせてくれる人も、道端で桃をくれる人も今思えばジュツを手首につけているひとが多い気がした。


ところが初日洛陽に着くなりドッと冷や汗をかいた。
交差点で信号待ちをしていると後ろに気配がした。後頭部の目(!)で確認すると、あいつらだった。信号が青に変わると全力でペダルをこいだ。相手はバイクに股がり引き劣らない速さで着いて来る。わざとバイクや自転車で混み合っている場所に突っ込んで行き、目をくらませる。なるべく遠くへ遠くへ。4km走ったうちの3km程しつこく着いて来た。ダイアナ妃のように事故死したくはない。



地元パパラッチでした。

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もう変な宿にも泊まりたくない。
チーズの悲しみも拭い切れない洛陽だったので。逃げた。


ということで洛陽のセカトマはGUOさん一家のお宅。
やはり地元の人に泊めてもらうと安心する・・。
GUOさんはイタリアで留学後一年現地で働いたイタリアなまりの英語を話す男の子。愛車、20年前の日本のSUZUKIの小さな可愛い軽で街を案内してくれた。繰り返すエンストと段差を乗り越えたときのお尻への衝撃からこのまま壊れてしまうんじゃないかと心配する僕をよそに、くるくると手回しレバーで窓を空けながら「洛陽へようこそ〜」とゆるい笑顔で話す彼が可愛い。

地元料理と言えば、名前は忘れてしまったが羊肉湯や牛肉湯(スープ)にナンのようなものをちぎって入れて食べる料理。僕はパンやナンがあまり好きではないので方便面(インスタント拉麺)を入れて食べた。
写真はどこにでもある小籠包。


他の街から友達が電車で遊びに来てくれて一緒に観光した。彼女が来るまでは高額な入場料の石窟に入るつもりすら無かったが、せっかくわざわざ遠くから来てくれたので入る事に。地元の人が普通に買って観光してるくらいのチケットを購入するのに3日も躊躇う自分てどれだけ貧乏なんだろう。

綺麗な古い町並みに夕日が沈む頃、いたるところからプラスチックのイスが出て来てあっという間に屋台街ができた。所狭しと見た目も味も美味しい料理を並べいい薫りを漂わせる小さな屋台一つ一つを見て歩くだけでも楽しい。

昔これを初めに見た時、このお風呂のイスは何だろう・・と思った。
座ってシャワーを浴び湯船につかる私たち。なんとも日本人らしい疑問だ。haha..


北海盗。うまいこと言うね。
寿司はうまくなかった・・。盗み切れなかったね。
でも日本の料理を真似しようとしてくれただけでなんか嬉しいよ。
加油〜!

Ruzhou to 洛陽
走行距離:96.64km
平均速度:17.5km/h
最高速度:52.1km/h

facebook: (keiichiro kawahara,河原啓一郎)



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