「旅」とは、

「旅」とは、「5%の努力と、5%のお金と、90%の人々の優しさ」


ボランティアをしながら世界に笑顔を届ける - 【看護師Keiの自転車世界一周の旅】×【助け合い】 ★現在挑戦中です!


(中国武漢で自転車が盗難に遭いましたが市民数万人の皆様のお陰で取り返し、無事旅を続けています!!)

2012年1月18日水曜日

-合流-






Quzhouに居た時に見た道路標識「南昌まで400km」を今でも覚えている。
距離にすると鎌倉から新潟中越くらい。遠いな遠いなと思っていたのに、今こうしてその街にいるのが何か不思議。2日間で200km以上走った。残りの200kmに一週間の時間を要したのは、その街と人々に甘えちゃう僕のマイペースなところ。

幹線道路にはところどころにその先の町までの距離を記す標識がある。
しかしこれがクセ者。例えば、東糸まで108kmと書いてあったかと思えば、その500mほど先の標識には125kmと書いてある。Made in Chinaのいい加減さには毎日いろんなところであきれてしまう。とりあえず標識は参考程度に、信じられるのは自分と我がGPSのみ。

さて、中国人の間で悪名高き南昌(みなみあきらw)市。
何が原因か聞いてみた。
まずこの地方の言葉のアクセントが他に比べて強いこと。女の子同士の会話ですら聞いてるとケンカをしているように聞こえる。それも、マジ喧嘩・・。でも顔は笑顔。

「南昌の女の子とは絶対結婚したくない。」って言われたー、と嘆く人も。

それから交通マナーの悪さ。「南昌で運転できたら世界中どこでも運転できるよ。」とここの人は自信を持って言うからまた恐い。何度か車に乗せてもらったけど、完全にマリオカート・・。逆走、急ブレーキ、3台抜き、何でもあり。何度も寿命が縮む思いをした。

あとは、共産主義に関連した歴史を持つ街だからか。色々な人と話し、とても書きたいこともたくさんあるのだが政治的な話を深くここに書くのはひとまず避けておきたい。ただ、これだけは言いたい。ほとんどの中国人がこの国、政府、政党が嫌い。しかし抜け出せないということ。選挙もなければ、大富豪にならない限り海外移住はできない。不満や怒りは見えないところで静かに蓄積されていく。大規模なデモや革命を恐れてfacebookyoutubeなどをはじめ、様々なサイトをブロックしネットもメールも監視・コントロールして凌いでいるが、それも時間の問題。さあどうする、もう時代の流れは止められないぞ。
 
この街では日本からの友人、同じく世界を歩く旅人、マサヤさんと合流した。
彼とは和歌山の被災地で一緒に活動した仲で、自前の丸スコップをいつも持ち歩いていた。今回は持ってきていなかったが、彼がこっちで一目ぼれして購入したのはプラスチックでできたスコップ型の水鉄砲。50㎝程で、シャベルの部分を折ると水鉄砲になる。
普段はしっかりものだがおもちゃを前にしてはしゃぐ楽しいマサヤさん。たしかに中国の何でもコピーする業の数々を見ていると面白い。トーマスの仲間が集まって変形し、戦隊物の合体ロボになったときは感動した。
彼とは5日間を共にし、二組の誕生日会に呼ばれたり、毎朝同じ定食屋に行って超フレンドリーなおばちゃんと話しながら御飯食べたり、乾燥機だけお願いしたはずなのにパンツまで綺麗にクリーニング・アイロンまでかけてくれ、最後まで理解してもらえなかったクリーニング屋に行ったり、泊らせてもらった家の家族に手巻き寿司を作ったりと、充実して楽しい時間を過ごした。

中国、特に内陸の南昌などでは魚を生で食べる習慣がなく、手巻き寿司の具たちも中華料理を加えたオリジナルなものができた。一番苦労したのがツナサラダ。ツナが無いのでニシンの水煮を使う。マヨネーズは街一番の大きなスーパーでやっと手に入れてもらった。マヨネーズのほかチーズやバター、マーガリンの入手がとても困難。
上海や杭州などの大都市には売っていたけれども、省都とはいえ内陸に行けば行くほど入手は難しくなってきた。

マサヤさんの手作りで、ここの家族にプレゼントしたアルミ缶製のアルコールストーブ。これで紹興酒やワインを食卓で温めて飲むと美味しい。

ノービザ(15日以内のVISAなし滞在)で韓国から船で来たマサヤさんのタイムリミットは刻々と近づいていた。イミグレに追い出される前に、香港にワープ。

混雑する南昌駅の切符売り場の窓口には、もうキレル寸前と言っても過言じゃないくらい態度の悪い若いお姉さまと、どこかの新聞の4コマ漫画に出てきそうな肝っ玉かあさん。こちらもダルそうに仕事をこなしている感じ。さあどっちにする。

マサヤさんが並んだのは肝っ玉かあさんの方。
「僕らどうなちゃうかな。食べられちゃうかな。」なんて冗談言いながらも結構ビビっていた。マサヤさんが取り出したのは小さなメモ帳。そこに可愛い絵と漢字で「南昌→香港」と書いた。僕が中国語で助けようかと言うも「まあ見ててくださいよ。」と自信ありげな表情。

いよいよ順番がまわって来た。彼はメモを渡しながら日本語で一言、

 「おばちゃん!日本までちょーだい!」

おばちゃんも、僕も噴出して笑ってしまった。

可愛いく元気のいい外国人だと理解した肝っ玉かあさんはそれまでの表情から一転して笑顔に。
隣のキレル寸前姉さんに「この日本人おもしろいよ!」的なことを言っていたがやっぱり彼女は相変わらず無視。
さすがマサヤさん。
そして、かあさんを選んで正解でした。
got ticket! yay!

マサヤさんが南国へ進み、僕もそろそろ先に進みたくてうずうずしてきた。
自転車の整備も完了。
なのにここに来て天気予報は今週末まで雨か雪。
そして年始から二週間ほど続いてきた軽い風邪が悪化しついに熱発。その日の夜には頭痛と眩暈でフラフラしてくる始末。泊らせてもらってる家の人もいつまでもいていいよと言ってくれるので診療所にかかりながら中国正月までここで療養することに。
これから武漢、西安へと、シルクロードを北西に進んでいくので、さらに寒いこと間違いなし。少し充電して体調を整えてから進むことにしよう。
昨日ルートを検討していたときに一緒に話した人が言っていた、
「時間じゃないよ。」って。