2012年1月30日月曜日

-あの感動を・・-



この日は大変な道ばかりの一日だった。
永修から徳安までのG105は未舗装でボコボコした道を時速6kmくらいで通らなければならなかった。尖った石や大きな穴を避けて走ったけれど、やっぱりパンクは避けられない。静岡から運んできたカチカチのシュワルベタイヤさんに変えたところでこの荷物の量と悪路には勝てなかった・・。

そして目指す九江に行くのを拒むかのように御立ちになるMt.Luを始めとした山々。
中国風景区のひとつとしてぜひ一度は登りたいという観光名所になっているけど、自転車で通っただけで観光として登る気は早くから失せてしまった。一日余裕が無かったのか、朝から11時間もこいで写真は2枚しか撮っていない。苦労して通ってきた道なのに記録していなかったのが今になってちょっと悔しい。



先日友達からもっと景色や走ってるところの絵が見たいと言われた。そういえばブログを振り返ってみても「人」がメインな気がする。確かに「人」の写真が好きで、人の表情や行動を絵にして色々なことが伝えられると思ってた。

でもちょっとまて、僕がまだ日本にいた頃、旅人のブログの中にある日本にはない「外国」という景色に惹きつけられていた自分がいた。それから今も覚えているのが、初めて上海のフェリーターミナルから出て周りを見渡したときの光景。そこはなんでもないただの道路。でもでも何かが違った。

車は右車線を走り、看板は中国語、3輪自転車に果物を乗せて売り歩くおじさん、飛び交う外国語、どれもこれも目に入るものが新鮮でそれらは紛れも無く「外国」だった。日本にはない物を見て、純粋に感動し、ワクワクした気持ちを抑えられずにいた。

それが中国生活2ヶ月が過ぎた今、あの感動はどこに・・。そういえば日本人にも他の旅人とも一度も会っていない。バックパックしていた頃の旅と、今回の自転車で始めたもっともっとローカルレベルでの旅とは何か違う。いつの間にか「旅人」から「地元人」になりかけていたのかもしれない。


ふとそんな事を思ってしまってからはもっともっと僕が自転車から見たもの、街の様子、景色などを記録に残していこうと思った。きっと友達が期待していたのはそれだったのだろう。かつて僕もそうだったから。

今日はGoproカメラを頭につけて撮影した九江郊外の村と、武穴の町の様子をUPします。



まだまだ自分の知らない感動が旅には幾万と転がっているはず。
ちょっとしたことだけど、
「もう御飯食べた?一緒に食べていきなよ。」
と招かれ一緒に夕飯をいただく度に小さな感動をしてしまう。「あぁ旅だ。」って(^^;


 
悪路含めて101km走ったあとはフラフラ。大都会、九江のKFCの壁に自転車をもたれ掛け、膝から崩れ落ちるように座り込んだ。

頭を抱えて伏せていると瞼が重くなり、ここで眠れる気がしてきた。
いやダメだこんな街中で。でもウトウト・・・。

数分間意識が飛んだ後、ふと我に返り見上げると目に入ったのは人だかり。日本から自転車で来たことに驚き質問攻めのおじさんたち。そして現われた救いの手・・。
大学で4年間日本語を勉強していたという娘(TangHeng)さんがいる一家にこの街でお世話になることになった。
 
毎日お父さんが作ってくれる家庭料理がとってもとっても美味しかった。

溜まった洗濯物と疲れも解消し、3日間続いた雨も上がった。
久しぶりの気持ちのいい青空。
今日は長袖Tシャツでいいかも。
さあまた前進だ!


九江Jiujiang to 武穴Wuxue
走行距離:63.4km
平均速度:16.4km/h
最高速度:34.2km/h