2012年8月24日金曜日

ーWelcome to China!ー




「ちょっと、冒頭からパンツの写真て・・。」
とアップロード前に周囲は冷たかったが、失礼ね・・ちゃんと洗ってあります。

洗濯は長旅で避けられないお仕事。
この登山ロープと洗濯バサミ。 すごくお世話になっている旅道具の一つ。
過去のブログ記事「旅の装備」リストにも確か記載してあります。


目指すは四方を山に囲まれた古代都市西安。この夏最大の難所だ。
とは言え一番標高差が少ないルートを地図から厳選したので、すぐ脇にそびえる2000~3000m級の山々を眺めながらの谷間走行となった。洛陽からは国道に入ったので路面情況は比較的良く、お尻にも優しかったのだがパンクは避けられなかった。修理しているそばでおじさん達がアイスを食べながら不思議そうに見ている。

オジ「あんたどこの省出身?」

僕「いえ、僕中国人じゃないです。」

オジ「じゃあ宇宙から来たのかい。」

僕「そんなところです。火星から来ました。自転車で。」


変な会話・・。

お腹が空いて力が出なくなって来たので適当に食べれる場所を探す。次第に緑が生い茂る山道に入って行くも、地図通り、いやそれ以上にたくさん人が住む小さな街というものは点々としているものだ。「中国人とインド人はどこにでもいる。」とは誰が言ったか。だいたいは、村道と高速道路が交差する場所や、河や湖がある場所には人がいる。
無事お昼にもありつけて美味しい「羊肉湯(スープ)」でお腹を満たせた。しかもお店の人達が親切でお代はタダにしてくれた上に水3本持たせてくれた(;_;)優しいなあ。

本日の難関、三門峡。
思ったより登りは簡単で、そして思ったより景色も他と代わり映えはしなかった。頂上に着いた午後2時、口渇と暑さで冷たいビールを妄想。

商店発見。時々食べる20円のアイスが僕の何よりの楽しみ。特にこの葡萄のアイスはこれまでに幾度か食べていた。そしてこの時もいつものようにアイスを買い、溶けないうちにと急いでかじりついた。

何これ・・葡萄じゃない。紫イモだ・・。



こういう時なんて言うかというと・・
welcome to China!!
呆れ過ぎて説明できない、またはありえない事が起こった時、最近僕らが口にする言葉・・。昨日会ったアメリカ人は一日100回は言っていると自負していた。もうとにかく何でもこの言葉ひとつで片付いてしまう。

2週間前に到着したばかりの同じくアメリカ人の女の子が地下鉄に乗っていた時、突然車内の異様な臭いに気づいた。ふと周りを見渡すと、他の乗客数人が同じ方向を見ていた。そこにはあり得ない光景が・・。

なんと母親が子供にう○こをさせているのだ。
ヒラっと鞄から取り出したるは一枚のティッシュ。それを車内の床にひいて、子供にその上で用をたさせている。子供はなんのためらいも無く発射。
窓が閉まっていた車内、鼻が曲がりそうなくらいの悪臭だったと・・。
周囲の人々は携帯をいじったり話したり、平常心でいられないのは外国人だけだった。
その後も車内やレストランの床に唾を吐く男達が気持ち悪くて食欲も出ないなどの不満と、ナゼ?と繰り返し聞かれるのだが、こう答えるしか無い。

welcome to China!



毎日歩道のど真ん中で座って大きい用を足す子供を見ている生活が続けばきっと彼ら来たばかりの外国人も僕らと同じ答えにたどり着くだろう。ちなみに幼児のズボンのお尻の部分に穴が開いてるのはその為なのね・・。



遂に到着した街、三門峡市。
この街での身元受け入れ先の友達に会う時間よりだいぶ早く着いた。
荷台に大切に縛り付けておいた小玉スイカを割って食べながら待つ事に。
今回は三門峡のある大学の教授で旅行学を教えている方が僕のホスト。

この写真、一見ホテルの客室のように見えるけど実はホテルではない。学生が実習に利用する為のデモの客室なのだ。ネットは引かれていなかったがその他の設備は充実しており、何しろ驚いたのは校舎の廊下を普通に歩いてふと開けた教室の扉の向こうがホテルの客室だったことだ。

初めて見た。どこでもドア。

夏休み前に学生達が一生懸命セットした教材を汚すまいと気を使いながらも、ゆっくり腰を休めることができた。そして看護学校一年目の時に練習した患者様のベッドメイクを思い出して、去るときはパリッとさせた。そんな場所を提供して頂いた先生方に非常感謝(フェイチャンガンシエ)。

様々な円合って知り合う人々。この先生方は、平頂山の路上で知り合った男性から紹介してもらった。この男性も面白い人で、彼が書いた記事を読むと、僕と話す3kmも手前から自転車で後をつけていたらしい。すぐ後ろから撮られていた写真を見るとなぜ気づかなかったのだろうと少し悔しい。そんな出会いがあったおかげでまた新たな出会いの機会を貰えた。こういうのって、運命っていうのか、ホントわからないよね。神様が僕らを駒にして人生ゲームみたいに遊んでるのかな。


夜は驚く事に、政府の人とご飯を食べた。先生方も一緒に。
政府とはいえ、悪いひとではない。専ら、“税”の方だから・・

大学時代日本語を勉強していて、セイント聖矢とドラゴンボールをネットで見て育った日本大好きな人達だった。着メロはラピュタ。
中国の絶品料理「武昌魚」の写真は掲載するけど、一応本人達が写ってる写真は控えておこ。



なんて可愛らしい子供たちだ。
リンゴと桃を買った店の子供達。最初お父さんに台湾人だと思われてた。台湾が大好きな僕は嬉しくてそのまましばらく台湾人のままでいた。lol

さあ後は下るだけ!
青空の下、風を切って、「ゆず」でも聞きながら、しばし楽しむぞ!

と思ったら人生はそう甘くはない。
曇り出し青空は隠れ、iPodの電池は切れ、大気汚染で空気は悪く、ご覧の通りボコボコの坂道はスピードを出してよそ見なんかしていれば時々ある深さ20cm程の穴にタイヤを取られて車体ごと体が空中を舞う事になる。

それでも出ました52.2km/h (三門峡to LingBao)

怖くて涙がちょちょぎれた。



洛陽 to Yima
走行距離:67.74km
平均速度:17.1km/h
最高速度:39.3km/h


Yima to 三門峡
走行距離:68.69km
平均速度:16.9km/h
最高速度:49.0km/h


facebook: (keiichiro kawahara,河原啓一郎) http://www.facebook.com/coucou.kei

2012年8月22日水曜日

ー風呂のイスでできた街ー




龍門石窟遺跡があることで有名な河南省・洛陽(Luoyang)。
Ruzhouから洛陽までは綺麗な並木道が続いており気持ちがよかった。
タールまみれになった前の街のことを思い出せばここは別世界だ。

有名なお寺や世界遺産が有るような観光都市に住む人々というのは他とは何か違う優しさがあるなと感じることがある。信仰が厚いからかな。それもあるかもしれない。
ちなみに長野は善光寺そのシンボルだ。

洛陽で路線バスに乗っていたら一人のお年寄りが乗ってきた。僕が席を譲ろうと立ち上がった時、一緒に近くにいた若者2人もほぼ同時に立ち上がった。皆顔を合わせて少し照れくさくなった。他の乗客達もニコニコしていて車内の雰囲気が和んだ気がした。小さな事だけど、とても大切なことね。
そのことをweibo(中国版twitter)に書いたら、
「長年信仰とこの遺跡を守って来た洛陽人の文化です。」
とコメントした人がいた。

信じるモノがあるから他人に優しくできるのかな。信じるモノとは時に信仰だったり夢だったり、社会の欲望や悲しみにブレそうな自分を正してくれるもの。逆になければ耐震構造が低い建物のように少しの圧力で潰れてしまうか、他人に気を配る余裕がない。

宗教には天使と悪魔の両局面があるので時に「宗教なんて」と思うこともあるが、こういう一面を見るとホッとする。本来、こうあるべきだよね。
泊まらせてくれる人も、道端で桃をくれる人も今思えばジュツを手首につけているひとが多い気がした。


ところが初日洛陽に着くなりドッと冷や汗をかいた。
交差点で信号待ちをしていると後ろに気配がした。後頭部の目(!)で確認すると、あいつらだった。信号が青に変わると全力でペダルをこいだ。相手はバイクに股がり引き劣らない速さで着いて来る。わざとバイクや自転車で混み合っている場所に突っ込んで行き、目をくらませる。なるべく遠くへ遠くへ。4km走ったうちの3km程しつこく着いて来た。ダイアナ妃のように事故死したくはない。



地元パパラッチでした。

orz


もう変な宿にも泊まりたくない。
チーズの悲しみも拭い切れない洛陽だったので。逃げた。


ということで洛陽のセカトマはGUOさん一家のお宅。
やはり地元の人に泊めてもらうと安心する・・。
GUOさんはイタリアで留学後一年現地で働いたイタリアなまりの英語を話す男の子。愛車、20年前の日本のSUZUKIの小さな可愛い軽で街を案内してくれた。繰り返すエンストと段差を乗り越えたときのお尻への衝撃からこのまま壊れてしまうんじゃないかと心配する僕をよそに、くるくると手回しレバーで窓を空けながら「洛陽へようこそ〜」とゆるい笑顔で話す彼が可愛い。

地元料理と言えば、名前は忘れてしまったが羊肉湯や牛肉湯(スープ)にナンのようなものをちぎって入れて食べる料理。僕はパンやナンがあまり好きではないので方便面(インスタント拉麺)を入れて食べた。
写真はどこにでもある小籠包。


他の街から友達が電車で遊びに来てくれて一緒に観光した。彼女が来るまでは高額な入場料の石窟に入るつもりすら無かったが、せっかくわざわざ遠くから来てくれたので入る事に。地元の人が普通に買って観光してるくらいのチケットを購入するのに3日も躊躇う自分てどれだけ貧乏なんだろう。

綺麗な古い町並みに夕日が沈む頃、いたるところからプラスチックのイスが出て来てあっという間に屋台街ができた。所狭しと見た目も味も美味しい料理を並べいい薫りを漂わせる小さな屋台一つ一つを見て歩くだけでも楽しい。

昔これを初めに見た時、このお風呂のイスは何だろう・・と思った。
座ってシャワーを浴び湯船につかる私たち。なんとも日本人らしい疑問だ。haha..


北海盗。うまいこと言うね。
寿司はうまくなかった・・。盗み切れなかったね。
でも日本の料理を真似しようとしてくれただけでなんか嬉しいよ。
加油〜!

Ruzhou to 洛陽
走行距離:96.64km
平均速度:17.5km/h
最高速度:52.1km/h

facebook: (keiichiro kawahara,河原啓一郎)



2012年8月21日火曜日

ー旅に役立つ情報2ー




旅に役立つサイトを少しご紹介。
きっと皆さんのお役に立てる情報が一つはあるはずです。
少しずつですが時間を見つけてシェアして行こうと思います。タイムリーな現地情報は個人ブログなどを検索して参考にして頂くのが一番だと思います。また逆にこんないいサイトが有るよという情報があれば教えて頂ければ幸いです。



VPN(プロキシ、中継サーバー)

Facebookは中国を含め数十カ国の情勢不安の国々では政府にブロックされ閲覧できないようになっている。旅行や留学、出張でこれから行かれる方も多いはず。例えば、中国ではこのブログを提供しているgoogle(もちろんgoogle)You TubeFC2、ニコニコ動画、他多数の外国サイトが閲覧禁止になっている。自由を奪われた国民の不満は痛い程感じられる。3年前は少しfacebookも見れた時期があったがすぐに閉鎖。G-mailはかろうじて使用可能。
Googleは機能制限はあるものの検索は出来る。本土では禁止されているのでURLの末尾がhk(香港)になっている。
とはいえ国民も旅行者もあの手この手を使って自由が欲しい。
そこでこのVPNというインターフェイス(接続方法)を使うと日本にいるときと同じように自由にサイトが閲覧できるようになる。
むしろ気のせいかもしれないけどVPNを通した方が速く感じる。


strongVPN

現在僕が使用しているもの。VPNを使用していても再びブロックされ閲覧できない事が数ヶ月に一度くらいある。その度にサーバーを変更するのだが、僕のような慣れない人には簡単ではない手続き。しかし常にサイトの画面右下にテクニカルチームのスタッフとチャットで話せるウィンドウが備え付けられており、24H無料で迅速に問題を解決してくれる。スタッフも皆とてもフレンドリー。


highspeedVPN


swissVPN




BTGuard

Webストレージ(オンラインデータ保存スペース)■

旅をしていれば写真や動画は増えて行くばかり。HD(ハードディスク)やDVD—Rにその都度保存して持ち歩くのも一つの手。しかし万が一のデータ損傷やハードそのものの盗難も十分にありえる。僕も数年前ミャンマーで医療活動した時の貴重な写真と、当時の軍事政府がしていた汚職現場の写真2000枚がタイのコ・パンガンでカメラごと消えた。警察に助けを求めたがレポートどころか銃を向けられ追い出され、その後3日間食べ物が喉を通らなかった・・。その話は長くなるのでまた後ほど・・。
そんな時、後悔しない為に、あって嬉しいのが大容量webストレージ。オンライン上にデータを保存でき、好きなときに好きな場所で追加・削除ができる。
Dropbox, sugersync, skydriveが個人的にオススメストレージ。
また下記の表が古いので乗っていないが、Picasaphoto bucket は僕も友達も愛用しているストレージ。いづれも無料・有料あり。




■格安航空会社(LCC)■
(代表的なLCC) 

ryanair
イギリスを中心にほぼヨーロッパ全土を就航する超格安航空会社。
ヨーロッパの国と国の間が9ユーロとかで飛べてしまうなんて、路線バス感覚で一度は乗っておきたい。
リンクから格安宿も検索にも飛べる。



airasia 
東南アジア中心にアジアならほぼ全域飛んでいる超格安航空会社。
予約もサイトから手順を追って行けばスムーズに行える。クレジットカード決済。出発日が近くても日によりとてもとても安いフライトがあるので細かくチェック。いつかタイのバンコクからミャンマーのヤンゴンまで7ドル(tax 16ドル)で飛んだことも。




tigerair 
タイガーエアー。こちらもエアアジアと同じくしてアジア圏に強い。
エアアジアと就航図、料金・日程などを比較して上手に利用したい。



春秋航空
日本−中国間を格安に飛ぶならコレ。
鳥取−上海3000円など鬼安だが落とし穴が。
重量制限が厳しく、預け・手荷物合わせて15kgまで。1kgでも越えると1kgあたり1500円のチャージ。僕は36000円のチャージを命じられその場でクロネコヤマトに走った。それでもバックパッカーは皆20000円程泣く泣く払い、飛行機の中で意気消沈。ご注意を。詳しくは5月のブログに記載あり。





peach
おなじみ日本のLCC。格安航空会社。




Jet star
ベッキーでおなじみじぇとすたあ。
Farアジア−オセアニアを縦の縦路線が強くて安くて素敵。



中国格安国内線検索
c-trip  
日本語可能。探せば国内線は列車よりも安いものもあり。




中国鉄道時刻表・料金・予約照会
日本語に切り替え可能。中国は列車が旅に欠かせない乗り物だろう。遠くは烏魯木斉、カシュガル、チベット拉薩まで、中国ほぼ全土に線路が引かれており本数も多い。値段も20時間乗っても2000円程度。(座席による)モンゴル鉄道やシベリア鉄道へも連結されており旅人の夢をかき立てる路線が多数。






■格安航空券総合検索サイト■

スカイスキャナー



トラベル子ちゃん



カヤック kayak




世界一周航空券( 世界一周堂 )

世界一周というのはお金さえ有れば誰でも簡単にできてしまう時代になった。
うちの父親の子供の頃はイギリスへの普通航空券が30万円近くしたのに、今では30万円で世界一周分の航空券が買えてしまう。

予め地球上の行き先を決めておいて「日本から日本まで」の束になったチケットを握りしめて行く旅もある。大陸間などは高額になり、旅程によってはバラで買うよりも格段に安い場合も。提携している航空会社で構成するグループごとに就航エリアが決まっており、自分の行きたい国と照らし合わせて賢く安く買いたい。
ただし1年FIX(1年の期限付)なので引き続き長期旅行したい場合はバラで再度買い足すしかない。

主要グループ
         ワンワールド(OW
         ラウンドザワールド
         スカイチーム
主要グループ以外
         BA+JL/AA
         シンガポール航空
         ユナイテッド航空
準世界一周
         SA サークル アジア
ただ自転車旅の素晴らしさを知ってしまった今は飛行機にはもう・・。


■年間を通した各都市の気候・気温、旅の服装など(地球の歩き方)■http://www.arukikata.co.jp/weather/


facebook: (keiichiro kawahara,河原啓一郎)